科学警察研究所が独自に開発した発射痕鑑別システム。世界にはこの種のシステムがいくつかあり、その中ではIBIS(Integrated Ballistics Identification System)は銃器犯罪の多い各国に導入されている最大規模のシステムであり、3次元画像の解析機能がある。
これに対して、BIRIシステムは発砲事件の少ない我が国に適した小型のシステムで、2次元カラー画像のみを扱うが、鑑定書作成までの一貫した処理が可能である。この種のシステムとしては遅れて完成したことが、その名称に含意されている。
附属鑑定所は、昭和46年に設立以来、ガスクロマトグラフ/質量分析装置等の高性能の分析機器を活用して、犯罪現場に残された微量の資料から犯罪の事実を科学的に立証するため、3つの領域の鑑定・検査業務を行っている。
発砲事件現場に残された現場弾丸、現場薬きょうから使用された銃器を推定するとともに、違法所持拳銃が押収された場合は、その拳銃が関与した発砲事件がないかを調べている。未解決事件の現場弾丸類の痕跡画像を口径や銃種別に表示できるBIRIシステム(Ballistic Image Retrieval and Identification System)を活用して、押収拳銃から得た試射弾丸類の痕跡比較を行っている。その後、比較顕微鏡を用いて詳細な痕跡比較を行い、結論を導いている。
比較顕微鏡
BIRIシステムによる旋丘痕の検索結果例
偽造コインの特徴例
発見された偽造通貨はすみやかに科学警察研究所長に送付することと国家公安委員会規則で定められており、附属鑑定所が偽造貨幣の鑑定・検査を担当している。 全国の都道府県警察本部から送付された「偽造貨幣」を顕微鏡下で観察し、過去に発見された偽造貨幣と同じ特徴痕の有無を確認して符号の制定を行っている。また、損傷した真正貨幣と疑われる資料については、形態観察に加えて、微小領域微量元素分析装置を使用した成分分析及び導電率測定等を行い、真偽の鑑定を行っている。
覚せい剤分析用ガスクロマトグラフ
覚せい剤メタンフェタミンの乱用は世界的に深刻な社会問題である。わが国で流通している覚せい剤のほとんどが外国からの密輸によるものとされている。附属鑑定所では、押収された覚せい剤に含有される微量成分(原料や合成過程の副産物等の不純物)を分析・比較することによって押収物の類似性を明らかにし、薬物事犯の捜査を支援する、薬物微量成分分析及び薬物異同識別等の鑑定検査を行っている。