MDMA、MDA等の麻薬を含有する錠剤。摂取すると興奮や幻覚などの作用を示す。我が国では、2000年頃より押収量が急増している。欧州から空路により密輸されるケースが多い。
電解質溶液(=泳動液)を満たした内径数十マイクロメートル、長さ数十〜百数十センチメートルの毛細管(キャピラリー)の両端に電圧をかけることにより、内部に注入した物質を電気的な性質に基づいて分離・分析する方法。高分離能を有し、泳動液に種々の添加剤を加える等により、様々な物質の分離が可能であるという特徴を持つ。
内部に直径数十〜数百マイクロメートルの流路(マイクロチャネル)が構築された基板。微小空間特有の効果や現象を利用して、化学分析のほか、化学合成、電気泳動、細胞培養などのさまざまな機能を持たせることができる。
薬物乱用は、世界的に深刻な社会問題であり、我が国では、覚せい剤の乱用に加えて大麻、麻薬、向精神薬等の乱用が増加傾向にある。また、向精神薬や医薬品を用いた犯罪も悪質化している。これらの事案に対処するため、押収物や生体試料からの各種薬物の分析法の研究開発及びそれを応用した鑑定・検査を行っている。
乱用が懸念される各種の新規薬物について、押収物の定性法や生体試料からの高感度分析法を開発し、実際の鑑定に適用している。また、異なる場所で押収された覚せい剤等について、その含有成分の分析から流通ルートを解明する手がかりを得ようとする研究(薬物プロファイリング)も行っている。
携帯型ATR赤外分光計によるエクスタシー錠剤の赤外吸収スペクトル (写真:エクスタシー錠剤)
9種のアンフェタミン型興奮薬のキャピラリー電気泳動による一斉光学異性体分離(写真:キャピラリー電気泳動装置)
薬物分析のための新規前処理法の開発(図:マイクロ化学チップによる尿中覚せい剤の連続抽出)
薬物の使用を証明するためには、その代謝機構を把握しておく必要がある。そのため、新規の乱用薬物等の代謝に関する研究を行っている。
液体クロマトグラフ-イオントラップ質量分析計(左)とガスクロマトグラフ-タンデム質量分析計(右)
乱用薬物、向精神薬、医薬品等の各種薬物の高感度分析に活用されている
新規乱用薬物の代謝機構の解明(図:ラットにおける2C-Bの代謝経路)